二十五疵之事[慶長7年(1602)福島正則候の選別基準の一部]

長い歴史を感じさせる 広島県藺業....

現在でもこの精神は生きている。

 

赤 藺

藺田悪敷所へ植付候得はば元藺赤く生立候藺を一筋宛織交之事
ど み 藺

雨天の節刈揚色悪敷成候事
黄 色 藺

雨当り或は干立延引に成くみ色候事
入 れ 藺

疵の所を切抜外藺を入拵候事
枯 藺

肥し弱く仕候へば葉先枯申候か,或は刈揚時分、大風当り枯藺に成申

候事も御座候藺を織交候事

渡 り 藺

織立の節自然島渡り致候事
喰 違 藺

島のみぞ筋立不申藺くい違に相成り島筋不合候事
白 筋 藺

藺出来立宣敷延び過ぎ候へば、早くたおれ下に成居候藺、折節白色に成り候藺織交り候事
ふくれ藺

細き藺の中に大藺飛出申候事
血 附 藺

不思手疵御座候者、表拵仕候へば血附に自然相成申候事
かしだん

織立の節藺水にてかし織掛け置、残藺を以又織候へば、一枚の内二色に相見へ候事
湯 入

水湯もり掛り色悪敷成候か、又は船中にてとまもり抔にてぬれ候事
串 ざ し

糸きれ候て島立ひくき所へ表より串をさし候事
ひめごもり

織立候節糸コテに障り糸寄こぶになり候事
だ ん

一枚の内替藺だんだんになる事
き だ

島筋の内、格別深く相見え候事
おくれ表

職人上手下手替合厚薄不同之事
堅横間不足

堅は六尺六寸、横三尺三寸五分、定法の所其内少しにても寸不足之事
焼 疵 表

夕業の松燈し織立飛火抔仕焼申候事
た る み

糸たるみシワに成り候疵之事
縁しわ疵

縁糸たるみ藺くずれ高下出来申候事
間樋しわ疵

表中間樋の所糸ゆるみしわに成申候事
染 表

藺色悪敷を草葉の青き汁にて染申候事
毛 切 れ

裏にホロと申候て毛先出居申候を鼠切或はすれ切申候事
格 違

長間上中下夫々之位格過又は不足に相見え候事

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