人がつくる自然の素材
原料藺草と畳表のできるまで
冬 12月苗床で大きくなった藺苗を株分けして水田に植えます。
多年草の藺草をふやすには、株分けにして苗にします。品種改良を加えて現在のように細口で長い藺草が収穫できるようになったものが、種でふやすと藺草の性質が先祖帰りをしてだんだんと野生化してしまうからです。 | |
最近では、藺草苗の植え付け機も使われるようにもなりましたが、今なお厳寒の中、手で一本一本植えている者も多い。
一部の苗は、畑の苗床に植えて翌年の植え付けに備えます。 |
春 冬の厳しい寒さをくぐり抜けてきた藺草は、日一日と暖かくなる春の日差しの中で成長していきます。
5月には植えた苗の根元に多くの新芽が吹き出し、その新芽の成長を促進するために、それまでにのびた藺草の先を地面から50cm位の高さで刈り取ります。新芽が伸びて長い藺草になり、先刈りした藺草はあまり伸びません。
梅雨
梅雨の雨が藺草の新芽を伸ばしてくれます。
夏 7月十分に成長した藺草の刈り取りが始まります。
暑い中での藺草の刈り取りも、今では、藺草刈り取り機が導入されています。 | |
収穫した藺草を乾燥する前に泥染めをする理由については、畳及び畳表に関するQ&AのQ1を参照して下さい。 | 泥染め |
乾燥 |
乾燥の終わった藺草は、藺草倉庫に保管されます。 |
秋 乾燥した藺草から畳表になる時期になりました。
選別 |
ここでいろんな長さに抜き分けて、藺草の長さに応じ畳表を織ります。 |
織機で織る前に、傷んだ藺草・悪い藺草・変質している藺草を肉眼でよく見て選り出します。 | |
製織 |
細心の注意を払って、畳表に織り上げます。 |
日本の四季に育まれた藺草と畳表は、いつまでも、私たちの生活の中に生き続けるに違いありません。